他人の車で事故したときに使える保険を知っていますか？
今回は他人の車で事故したときの保険から保険を使うときに知っておきたいリスクについて解説します。
他人の車を運転する機会のある方は、この記事を読めば万が一の事故のときにどの保険を使うべきか、またどんなリスクがあるのかを理解できますよ。
他人の車で事故したときの保険はどうする？
友人の車でドライブに出かけた先で運転を替わったり、実家に帰省中に親の車を借りたり、自分ではなく他人のが所有する車を運転するタイミングは思いのほか少なくありません。
そこで知っておきたいのが、万が一事故を起こしたときの対応です。
マイカーを運転中に事故を起こしたのであれば、自分の自動車保険が適用されます。
では、他人の車で事故を起こしたの場合はどの保険が使えるのでしょうか。
使える保険は次の3つです。それぞれ詳しくみていきましょう。
他人の車の自賠責保険
自賠責保険は、自動車損害賠償保障法によって加入が義務付けられています。
車の所有者は自分が運転してなくても、原則として損害賠償責任を負います。
そのため、友人や知人が運転し事故を起こしても、他人の車の自賠責保険が適用されるのです。
注意したいのが、自賠責保険は自動車の人身事故による被害者の救済が大きな目的です。
そのため補償は最低限で、
- 被害者のケガや死亡
- 加害者側の車に乗っていた同乗者の怪我や死亡
のみ補償されます。
加害者側の運転手や車の所有者のケガ、自動車の破損に対する補償はありません。
加えて補償金額にも上限があり、
- 被害者の死亡ひとりあたり3000万円
- 傷害120万円
と定められています。
他人の車の任意の自動車保険
他人の車の任意の自動車保険が適用される場合もあります。
任意の自動車保険は、加入している保険や契約内容によって受けられる補償が異なります。
車を借りた相手が
- 対人賠償保険
- 対物賠償保険
- 人身傷害保険
- 搭乗者傷害保険
のついた自動車保険に加入していたら被害者のケガや物損、自分のケガなども補償されます。
さらに車両保険にも加入していたら、車の損害も補償対象です。
注意したいのが、保険料を抑えるため
- 運転者限定
- 年齢条件
などを設定しているケース。
運転者を配偶者や同居家族、本人などに限定している場合、友人や知人が運転して事故をしても保険は適用外となります。
車の貸し借りの前にチェックしておくことをおすすめします。
自分の自動車保険に付帯している他車運転特約
他車運転特約とは他人の車を運転して事故したとき、自分の自動車保険を使って補償するという契約です。
被害者側への補償や借りた車に直接生じた損害に対して補償し、保険金が支払われます。
他車運転特約は自動車保険の補償内容に含まれているときもありますが、契約内容によっては契約時に追加しなければならない場合もあるため、確認しておきましょう。
他人の車で事故して保険を使うときの注意点
他人の車で事故をしても、保険を使えることがわかりました。
これで万が一のときでも安心ですが、実際に保険を使うときに注意しておきたい点があります。
注意点を確認しておかないと借りた車の所有者に迷惑をかけたり、保険の適用外となってしまったりするケースも考えられます。
以下の2つの注意点をチェックしておきましょう。
相手の自動車保険を使うと等級が下がる
相手の自動車保険を使う場合、翌年の等級が下がり、次年度に支払う保険料が高くなるおそれがあります。
これは「ノンフリート等級」という、1年間保険を使った事故がなければ等級が上がり、保険料も割引されるという制度によるものです。
逆に保険を使った事故を起こすと、等級は下がり、保険料もアップします。
相手の自動車保険を使って補償を受けるときは、友人や知人に経済的な負担や迷惑をかけてしまう恐れがあることを理解しておきましょう。
他車運転特約が適用外となるケースがある
自動車保険の他車運転特約が適用外になるケースがあります。
たとえば以下のようなケースです。
- 駐車中や停車中に起こった事故
- 同居中の家族から借りた車で起こした事故
- 他人の同意なく、勝手に借りた車での事故
- 日常的に借りて運転している車での事故
このほかにも適用外となり、補償されないケースもあるため、ご注意ください。
「他車運転特約があるから安心」と思わず、あらかじめ補償の範囲がどこまでか確認しておきましょう。
他人の車を運転するなら「1日自動車保険」がおすすめ
他人の車を運転する予定があるものの、
- マイカーがなく、自動車保険に加入していない
- 運転に自信がない
という方は「1日自動車保険」への加入がおすすめです。
その名の通り、1日単位で入れる自動車保険で、一般的な自動車保険と同じようにさまざまな補償がついています。
車両補償や弁護士特約の有無など、補償内容に応じたプランを自分でチョイスできるのもおすすめポイントの1つです。
事故現場アシストや付帯サービスなども豊富で、サポート体制が整っている1日自動車保険も多く、安心して運転できますよ。
保険料もお手頃で「車両補償なし」タイプなら1日当たり500円ほどが相場。負担も少なく、加入しやすいですよね。
さらに、最近はスマホやコンビニで申し込みが可能な保険も多く、必要なときにサッと加入できて非常に便利です。
簡単・手軽に申し込める自動車保険に加入しておけば、友人や知人と安心してドライブも楽しめます。
まとめ
他人の車で事故したときに心配なのが、保険が使えるのかという点です。
安心して運転するためにも、他人の車を借りるときには、相手や自分の自動車保険をあらかじめ確認し、お互い同意の上で運転しましょう。
- 他人の車で事故したときにも使える保険がある
- 相手の自動車保険を使うと翌年の保険料が上がる
- 他人の車をやむを得ず運転するときは「1日自動車保険」がおすすめ
保険が適用されるとはいえ、もし友人の車で事故を起こすとその後の関係にヒビが入ってしまいかねません。
まずは事故を起こさないよう、安全運転を心がけることが大切です。保険はお守り代わりとして、忘れずにつけておきたいですね。