ドライブ中に車のブレーキを作動させると、金属でひっかいたような「キーキー」という音が聞こえることはありませんか。
今回は車のブレーキ音がキーキーと鳴る原因と対処法について解説します。
対処法だけでなく、異音をそのままにしておくことで起きるリスクについても解説しますので、ぜひ最後までご覧ください。
車のブレーキの音がキーキーと鳴る原因は?
車のブレーキを踏みこむと、キーキーという高い異音がすることもあります。
異音への対処法を知る前に、まずは原因を確認しておきましょう。
車のキーキー音の原因1:ブレーキパッドの劣化
ブレーキを踏み込んだ際にキーキーという金属をひっかくような音が出るのならば、多くの場合はこのブレーキパッド(別名:ブレーキシュー)の劣化が原因です。
ブレーキパッドの使用限界は1mmと言われており、3mm程度になったところで交換が推奨されています。
その中間である約2mmで警告のために音が出るパーツ(パッドウェアインジケータ)が組み込まれており、それがまさに「キーキー」という異音の正体というわけです。
しかし、全てのブレーキパッドが音で劣化を知らせるわけではないので注意してください。
最新のタイプでは、ブレーキパッドにメーターのブレーキ警告灯を点灯させる仕組みが採用されており、音ではなく光で消耗を知らせてくれます。
こちらはドライバーに伝わるため問題はないのですが、中にはパッドウェアインジケータも組み込まれておらず、警告灯を点灯させる仕組みも採用されていないブレーキパッドもあるようです。
そういったブレーキパッドの場合は自分で定期的に確認する必要があり、もしチェックを怠って事故を起こした際には、整備不良に問われることになります。
車のキーキー音の原因2:ブレーキが極度に冷えて部品同士が擦れるため
ブレーキパッドをはじめ、とくに車に問題があるわけでもないのに、ブレーキを踏み込むと「キーキー」なることもあります。
日常的に運転をしているのならば、とくに冬場に多いな……と感じることもあるでしょう。
ノーマル状態の国産車ならば、寒い日の乗り始めに異音を出すこともあり、これは故障ではありません。
ブレーキの「キーキー」という音は、ブレーキ作動時のビビリ(振動)が原因です。
この振動によって金属同士がこすれるのですが、通常はパッドもローターも高温になるため、素材同士に弾力性が生まれ、ブレーキ音が軽減されます。
しかし、寒い日のとくに乗り出したばかりでは、エンジン周りが完全に温まっていません。
その状態でブレーキを踏み込むと、硬い金属同士がこすれ、異音が発生しやすくなります。
エンジンが温まるころに自然と解消されていくのであれば、故障を気にする必要はないようです。
車のブレーキの音がキーキーと鳴ったときの対処法
先ほどの項目でブレーキ音がキーキーと鳴るのは、「ブレーキパッドの劣化」または「エンジンが冷えている」のいずれかだとお話してきました。
エンジンの冷えはドライブしていくうちに改善されていくものですから、長引くようであれば、ブレーキパッド周りを疑ってみるべきです。
ではブレーキパッドはどのようにメンテナンスしていけば良いのでしょうか?
ブレーキパッドにグリスを塗る
まだブレーキパッドは使用できるのに異音がするのであれば裏面にグリスを塗ってみましょう。
とくにブレーキパッドを新品に取り換えたばかりの際、当たりの悪さから異音がすることもあるようです。
グリスは約1回分の5gの使いきりタイプならば500円程度、複数回使用できる50gくらいでも2,000円程度で販売されています。
大容量の方が1回あたりの価格は安くなりますが、一度開封することで少しずつ劣化していきますから、5gの使いきりタイプを選んでも良いかもしれません。
ブレーキのエア抜きを行う
先ほどと同じく、ブレーキパッドは交換したばかりであったり、まだそこまで消耗していなかったりするのに、異音がするのであれば「ブレーキのエア抜き」をすることで改善されるパターンもあります。
ブレーキのエア抜きとはブレーキライン内(フルードの通路)の気泡を抜く作業のことです。
通路に空気が入り込むことでブレーキの効きが甘くなり、異音が生じることもあります。
ブレーキのエア抜きはセルフでも行うこともできますが、初心者には難しいものです。
整備工場に持ち込めばおよそ2,000円程度行ってくれるため、慣れないうちは無理をせずお願いしてしまいましょう。
ブレーキパッドの交換
ブレーキパッドが劣化して、3mm以下になっているのならば交換のタイミングです。
ブレーキパッドの交換は初心者では難しいため、プロにお願いをしてください。
整備工場やディーラーといったところはもちろん、カー用品店やガソリンスタンドでもすぐに交換してくれます。
おおよその料金ですが、ブレーキパッドと工賃込みで軽自動車ならば6,000円程度、普通乗用車ならば8,000円程度が相場になっています(左右1組の料金)。
ただし外国製の車や特殊な車のケースは、1か所あたり5,000円×2=1万円程度になることもあるようです。
車のブレーキのキーキー音をそのままにしたときのリスク
車は走る・曲がるといった走行も大切ですが、それ以上に「止まる」といった操作も安全を確保する点では重要になります。
ブレーキパッドが劣化したままドライブを続けると、ブレーキの利きが非常に悪くなるリスクがあるでしょう。
踏み込んでも車が停まらず、スーッとまるで氷の上をすべるようになってしまいます。
もちろん事故の原因になりますし、ディスクローター(タイヤの回転を止める働きをする部品)の消耗にもつながるでしょう。
ディスクローターが消耗したことによって交換となると、本体と工賃で1万円から2万円程度がかかります。
ブレーキパッドの交換の倍以上の出費になりますから、キーキー音は放置しないようにしてください。
まとめ:ブレーキ音がしたら早めにチェックして修理費を抑えよう
冬の寒さによって初動のブレーキ音がキーキー鳴る場合は、特に問題ありませんが、走行中も音が気になる場合は早めのメンテナンスが必要です。
走行に問題がないからと、ブレーキ音をそのまま放置してしまうと、ブレーキが利かなくなり大きな事故につながる恐れがあります。
まとめ
- ブレーキ音がキーキーと鳴る原因は、「ブレーキパッドの劣化」または「エンジンの冷え」のいずれかである可能性が高い
- 「ブレーキパッドの劣化」の場合はメンテナンスを行う
- 車のキーキー音を放置するとディスクローターを劣化させ、高額な修理費がかかる
ブレーキ音を放置しつづけると、ブレーキパッドだけでなく他の部品にも大きな影響を与え、修理代がさらに高額になってしまうことも。
メンテナンス費用を抑えるためにも早めに対処をして、快適なドライブを楽しみましょう。