夏になると、車に乗り込もうとドアを開けた瞬間、むせかえるような熱気を感じることも多いですよね。
ハンドルを握って「熱い!」と叫んでしまった人もいるのではないでしょうか。
夏は車内温度が急激に上昇しやすく、たった数時間の駐車でも注意が必要です。
そこで今回は、自動車の車内温度の上昇を防ぐための対策から上がった車内温度を素早く下げるコツまで解説します。
熱くなった車内を冷やすのにいつも苦労している人や熱いハンドルを持ちたくない人もこの記事を読めば、安心して夏の車内に乗り込めるでしょう。
夏の車内温度はどれくらいになる?
炎天下に自動車を駐めておくと車内温度はまたたくまに上昇します。
JAFのユーザーテストによると、8月の晴天の日、外気温35℃の状況下に放置していた黒色ボディの自動車の車内温度は、わずか30分で45℃まで上昇。
また、白色ボディの自動車の場合も42℃を超え、いずれも短時間で車内温度が上昇することがわかっています。
その後も計測を続けると、最高温度は黒色で57℃、白色で52℃を記録。
さらに、ダッシュボード上の温度にいたっては黒色で79℃、白色で74℃と、触ると火傷しそうなほど!
炎天下に駐めた自動車の車内温度は一気に上がり、非常に高くなりやすいことがわかります。
夏の車内温度はなぜ高温になりやすい?
自動車の車内温度が高温になりやすい理由は、自動車が熱を溜め込みやすく、暖められた空気が外へ逃げにくいからです。
晴天下に駐めておいた自動車の車内は、四方を囲むガラスからどんどん太陽の光が射し込み、熱を溜め込みます。
また、大きなフロントガラスの真下にあるダッシュボードは、黒色などの濃い色で熱を吸収しやすい特徴があり、熱伝導効果により車内の空気がじわじわと上昇。
そのため、自動車の車内温度はみるみるうちに高温に達してしまいます。
夏の車内に子どもやペットを車内に残すのは危険!
自動車の車内温度はエンジンを止め、エアコンが停止した瞬間から急上昇します。
また、少し窓を開ければよいと思われる方も多いかもしれません。
しかし、窓を少し開けた状態であってもエアコン停止後、30分で車内温度は約40℃にまで上昇します。
短時間であっても、子どもやペットを車内に残して出て行くのは非常に危険です。
夏の車内温度の上昇を抑えるための対策
夏の車内温度の上昇を抑えるには、停車時に熱を籠らないよう対策することが大事です。
車内温度の上昇を抑えるための効果的な対策は次の通りです。
- サンシェードを取り付ける
- フロントガラスに遮熱フィルムを貼る
- 駐車時に窓を少し開ける
それでは詳しく見ていきましょう。
サンシェードを取り付ける
夏の車内温度の上昇を抑えるには、サンシェードの取り付けが効果的です。
サンシェードは、直射日光がもっとも多く降り注ぐフロントガラスを太陽からさえぎり、ダッシュボードが高熱になるのを防ぎます。
先ほど、紹介したJAFのユーザーテストによると、サンシェードを取り付けた車と何もしなかった車では、ダッシュボードの最高温度に22℃も差がつきました。
サンシェードの有無 | 車内温度 |
---|---|
サンシェードあり | 52℃ |
サンシェードなし | 74℃ |
サンシェードはコスパも良いので、手軽に始められる熱さ対策の1つです。
フロントガラスに遮熱フィルムを貼る
夏の車内温度の上昇を抑えるには熱や赤外線、紫外線を遮る遮熱フィルムをフロントガラスや窓ガラスに貼るのも効果的です。
遮熱や断熱の効果があり、フロントガラスや窓から差し込む直射日光の熱や紫外線、赤外線の影響を和らげます。
遮熱フィルムには色付きのタイプがありますが、透過率が70%以上確保されていない場合、道路交通法や道路運送車両法に違反するためご注意ください。
駐車時に窓を少し開ける
夏の車内温度の上昇を抑えるには、駐車時に窓ガラスを少し開けたままにしておくのが効果的です。
車内に籠った空気が外に流れ、完全に閉め切った状態の車内よりも温度上昇を抑えられます。
先ほど、紹介したJAFのユーザーテストによると、窓を少し開けた車と何もしなかった車では、車内の最高温度に7℃も差がつきました。
窓の開閉 | 車内温度 |
---|---|
窓を3センチ開けた車 | 45℃ |
窓を閉め切った車 | 52℃ |
ただし、防犯面から危険がともなう場合もあるため、自宅ガレージなど安全性が確保できるシーンにおいてのみ行ないましょう。
高温になった車内を素早く冷やす方法
車の車内温度の対策をしても、真夏の車内は高温になりがちです。
そのまま乗車してしまうと、熱中症のリスクが高まります。
ここからは、高温になった車内を素早く冷やす方法をご紹介します。
- ドアやトランクをしばらく開けたままにしておく
- ダッシュボードやハンドルを濡れたタオルで拭く
- 対角線上の窓を開けて冷房をフル稼働させる
それでは1つずつ詳しく見ていきましょう。
ドアやトランクをしばらく開けたままにしておく
高温になった車内を素早く冷やすため、自動車に乗り込む前にドアやトランクをしばらく開けたままにしておきましょう。
窓を開けることで、籠った熱を外へ逃がすことができます。
後部座席のドアや窓を開けたままにしておき、運転席のドアを数回開け閉めすると、空気が流れやすく、より素早く車内温度を下げることが可能です。
ダッシュボードやハンドルを濡れたタオルで拭く
高温になった車内を素早く冷やすため、ダッシュボードやハンドル、シートなどを濡れたタオルで拭き、直接冷やす方法もおすすめです。
車内温度を大幅に下げるわけではありませんが、触れやすい場所を冷やし体感温度を下げることにつながります。
対角線上の窓を開けて冷房をフル稼働させる
高温になった車内を素早く冷やすため、対角線上の窓(運転席と右後部座席など)を全開にし、そのままで冷房をフル稼働させましょう。
籠った空気を外に素早く逃がすことができ、効率よく車内温度を下げられます。
エアコンは、はじめに外気導入にし、ある程度冷えてきたら内気循環に切り替えるのがより効率的です。
夏の車内に放置してはいけないアイテム
夏の車内温度は上昇しやすく、高温になるため次のアイテムを放置しないようにしましょう。
- スプレー缶
- スマートフォン(精密機器)
- 炭酸飲料のペットボトル
これらのアイテムは、高温下に放置すると私たちに危険が及ぶこともあります。
スプレー缶
スプレー缶を夏の車内に放置すると爆発する恐れがあります。
熱によりスプレー缶の中のガスが膨張し、破裂してしまうのです。
その威力は大きく、窓ガラスを割ってしまうこともあります。
夏は制汗剤や殺虫剤、コンロ用のガス缶など、スプレー缶を持ち運ぶ機会が多いので、車内に残さないよう十分注意しましょう。
スマートフォン(精密機器)
スマートフォンやPCなどの精密機器を車内に放置すると、故障の恐れがあります。
また、大切なデータが損傷してしまうこともあるので注意が必要です。
精密機器は熱に弱く、高温の車内に放置しておくと動作不良や変形、電池の劣化などを引き起こします。
炭酸飲料のペットボトル
炭酸飲料のペットボトルを車内に放置すると、破裂の恐れがあります。
中に含まれる炭酸ガスが高温で膨張し、容器が変形したり、破裂したりするためです。
未開栓であっても破裂することがあります。
夏は炭酸飲料がおいしい季節で、車内で飲用する機会も多くなりますが、車から降りるときは必ず持ち歩くようにしましょう。
まとめ
夏は車内温度が急上昇しやすい季節です。
事前に対策しておかないと、車を冷やすまでに時間がかかるだけでなく熱中症のリスクが高まります。
また、ペットボトルやスプレー缶などうっかり車内に放置してしまうと思わぬ事故につながる可能性があります。
まとめ
- 自動車の車内温度はわずか30分で40℃以上、急上昇する
- サンシェードや遮熱フィルムを貼ることで温度の急上昇を防げる
- 自動車の車内温度はわずか30分で40℃以上、急上昇する
夏は海水浴やキャンプ、旅行など何かと自動車を使う機会が多い季節です。
事前に車内温度の対策アイテムを準備しておき、安全・快適なドライブを楽しみましょう。