冬道を安全に走行するには?タイヤチェーンの選び方やスタッドレスタイヤとの比較を確認

雪が降ると、普段安心して運転している道も一変。

「タイヤだけでは不安」「チェーン規制はどうすれば?」そんなあなたの疑問にお答えします。

この記事では、自動車整備のプロが、冬道の安全運転に必要な知識を分かりやすく解説。

冬道を走行するリスクやタイヤチェーンの選び方についてまとめました。

この記事を読めば、あなたも冬道の運転に対する不安を解消できるでしょう。

なぜ冬道は危険なの?リスクを解説

冬道を運転するのは大変危険です。次のようなリスクを伴います。

  • 路面の凍結
  • 視界不良
  • スタック

それぞれ詳しく見ていきましょう。

路面の凍結

路面が凍結するとタイヤのグリップ力が極端に低下し、発進やブレーキ、カーブでの操作が非常に危険になります。

特に橋の上やトンネル出入口、交差点付近は凍りやすく、一見普通の路面に見えても「ブラックアイスバーン」と呼ばれる薄い氷が張っていることがあるため注意が必要です。

冬道を何の対策もせずに走行すると、このアイスバーンによって車が思うように止まらなくなり、ブレーキを踏んでも滑ってしまうなど、スリップ事故の危険が高まります。

見た目では凍結が分かりにくいため、特に橋の上や日陰、トンネルの出入り口では慎重な運転が求められます。

視界不良

冬道の運転は雪や霧によって視界が悪くなりやすく、追突やスリップ、脱輪などの事故リスクが高まります。

こうした視界不良は「視程障害」と呼ばれ、降雪中や地吹雪、積もった雪が風で舞い上がることで発生します。

特に風が強い日や峠道、路肩付近では視界が急に白くなり、ホワイトアウト状態に陥ることもあるため注意が必要です。

視界が悪いと感じたら、ライトを早めに点灯し、ヘッドライトやテールランプの雪をこまめに取り除きましょう。

車間距離を十分に保ち、スピードを落として慎重に運転することが事故防止のポイントです。

スタック

冬道では、車が雪に埋もれて動けなくなる「スタック」のリスクが高まるため注意が必要です。

スタックとは、雪にタイヤが埋もれて前にも後ろにも進めなくなる現象で、タイヤと雪面の摩擦が失われ空転することで起こります。

特に積雪路では、スタッドレスタイヤやタイヤチェーンなどの冬用装備がないと発生しやすく、急なアクセル操作や轍の上を走行することも原因となります。

スタックしてしまうと車に負荷がかかり故障や二次災害を招く恐れがあります。

慌てずに次の手順で応急処置をしましょう。

スタックしたときの応急処置法

  1. アクセルをゆっくり踏む
  2. 車を前後にゆっくり動かしてタイヤで雪を固める
  3. スコップや脱出用マットでタイヤ周辺の雪を取り除く

自己脱出が難しい場合は、ロードサービスや周囲に助けを求め、安全確保を優先しましょう。

冬道を安全に走行するために必要なタイヤチェーン

冬道を安全に走行するためには、タイヤチェーンの装着が欠かせません。

タイヤチェーンは雪や氷の路面でタイヤのグリップ力を高め、滑りを防ぐ補助具です。

金属製や非金属製の種類があり、スタッドレスタイヤだけでは不安な急坂や凍結路面で特に効果を発揮します。

チェーン規制が出た道路では、スタッドレスタイヤのみでは通行できないため、必ず装着が必要です。

取り付けは駆動輪に行い、装着後はスピードを控えて走行し、雪や氷がなくなったら早めに外すようにしましょう。

事前に装着の練習をしておくと、緊急時も落ち着いて対応できます。

タイヤチェーンの選び方

タイヤチェーンは、冬道の安全確保に不可欠なアイテムです。

しかし、安易に選んでしまうと、思わぬトラブルに繋がる可能性があります。ここからは、タイヤチェーンの選び方を見てみましょう。

タイヤチェーンの種類を知る

タイヤチェーンの種類は大きく分けて、金属製と非金属製の2種類あります。

金属製

金属チェーンは、鋼鉄の鎖をはしご状や亀甲状につないだ昔ながらのタイヤチェーンで、凍結路面で高いグリップ力を発揮します。

はしご型は登坂時の安定性に優れますが横滑りしやすく、亀甲型は制動や旋回時にもバランスの良い性能を持ちます。

価格が手頃で耐久性にも優れていますが、走行中の金属音や振動が大きく、乗り心地が悪くなる点がデメリットです。

また、装着に時間がかかるため事前の練習が必要で、雪のない路面では過熱や切断、錆のリスクもあるため装置と管理に手間がかかります。

非金属製

非金属チェーンは、近年主流になりつつあるタイプで、ゴムやウレタン、布などの柔軟な素材で作られています。

金属チェーンに比べて軽量で取り付けが簡単なうえ、走行中の振動や騒音が少なく、乗り心地が快適です。

車体やホイールへの負担も少ないため、街中や雪の少ない地域での使用に適しています。ただし、耐久性は金属製に劣る場合があり、価格もやや高め。

特に布製のスノーソックタイプは緊急時に便利ですが、深雪や長距離走行には不向きです。

素材によって寿命が異なるため、定期的な点検と交換が必要になります。

金属製と非金属製で迷ったら

金属製と非金属製で迷ったときは、走る環境と使い方で選ぶのがポイントです。

凍結路や山道など、グリップ力が最優先の場面では金属チェーンが安心です。一方、市街地走行や短距離の通勤などでは、軽量で装着が簡単な非金属チェーンが便利です。

長距離や頻繁な使用なら耐久性重視の金属製を、緊急時や一時的な使用なら非金属製を選ぶと良いでしょう。

車種からタイヤサイズを確認

車種ごとにタイヤチェーンを選ぶ際は、まず自車のタイヤサイズを正確に確認することが重要です。

軽自動車やコンパクトカーは車体のクリアランスが狭いため、薄型や専用設計のチェーンが必要で、特に低床車はチェーン装着可能か取扱説明書で確認しましょう。

ミニバンやSUVなど車体やタイヤが大きい車種では、より丈夫でサイズ展開が豊富な金属チェーンや非金属チェーンが選ばれやすいです。

また、駆動方式により装着位置が異なり、前輪駆動車は前タイヤに、後輪駆動車は後タイヤに装着し、4WDは普段の駆動軸に合わせて装着します。

車種に適合しないチェーンは走行中の脱落や車両損傷の原因となるため、必ず対応車種とサイズを確認して購入しましょう。

用途や使用頻度を確認

タイヤチェーンは用途に合わせて選ぶことが重要です。

日常的に雪道を走行する場合は耐久性やグリップ力に優れた非金属チェーンが適しています。

これらは静かで乗り心地も良く、長時間の走行に向いています。

一方で、急な降雪や緊急時の短時間使用には、装着が簡単でコンパクトな布製チェーンやスプレーも選択肢に入りますが、耐久性や効果持続時間は短めです。

険しい坂道や厳しい凍結路などでは、金属チェーンの亀甲型が最も高いグリップ力を発揮し、登坂性能が求められる場面に向いています。

用途によりチェーン素材や形状が異なるため、使用シーンを考慮しながら選ぶことが安全運転のポイントです.

タイヤチェーンとスタッドレスタイヤどちらを選べばよい?

雪道を安全に走行するには、タイヤチェーンとスタッドレスタイヤ、どちらを選べばよいのでしょうか。

タイヤチェーンは、急な積雪や凍結路で威力を発揮します。グリップ力が強く、スタッドレスタイヤよりも安価な点が魅力です。

しかし、装着に手間がかかり、走行速度が制限されるなど、デメリットもあります。

一方、スタッドレスタイヤは、雪道でのグリップ力も高く、日常的な運転にも適しています。一度装着すれば、雪が降る期間中は交換する必要がありません。

ただし、価格は高めです。

どちらを選ぶべきかは、あなたの生活スタイルや、住んでいる地域によって異なります。

頻繁に雪道を走る方や、チェーン規制のある地域に住んでいる方は、タイヤチェーンがあると安心です。

雪が降る日数が少ない地域に住んでいる方や、経済的な負担を避けたい方は、スタッドレスタイヤがおすすめです。

どちらを選ぶにしても、事前にしっかりと情報収集し、自分の車に合った製品を選ぶことが大切です。

まとめ

冬道の運転は非常に危険であり、主なリスクとして路面凍結、視界不良、スタックが挙げられます。

とくにアイスバーンは、路面の凍結がわかりにくく、寒い冬に頻繁に起こるため、特に注意が必要です。

安全運転を確保するためには、タイヤチェーンの装着をしましょう。

タイヤチェーンは、雪道の走行頻度や車種によって選ぶ種類が異なるため、カー用品で専門のスタッフと相談して選ぶのがおすすめです。

また雪道の走行は、スタッドレスタイヤでも対応できますが、高価なためどちらを選ぶかは地域や生活スタイルによって検討した方がよいでしょう。

福岡県中間市にお住まいの方で、雪道や寒い地域への走行の予定がある方は中間ダイハツにご相談ください。

チェーンのご提案はもちろんのこと、スタッドレスタイヤへの交換にも対応します。チェーン装着時の方法や注意点などもお伝えできますので、お気軽にご相談ください。