高速道路の料金所を一時停止せずに通行できるETCは、今や車になくてはならない装備品の1つです。
ETCに適用される割引料金にもメリットを感じているドライバーも多いのではないでしょうか。
そんなETCですが、2016年にはバージョンアップしたETC2.0の本格的運用が開始されました。
そこで今回は、従来のETCとETC2.0の違いについてわかりやすく解説します。
ETC2.0の普及により従来のETCが使えなくなるのではという疑問についてもまとめていますので、ぜひご覧ください。
そもそもETCとは?
ETCの正式名称は「Electronic Toll Collection」で、電子料金徴収システムの略称です。
ETCを利用すると、高速道路の走行中に料金所での停車や現金の取り扱いが不要となり、車の運転がスムーズになります。
専用のETCカードを車に装着し、通行ゲートでカードをかざすだけで通行料金が自動的に支払われるからです。
ETCの導入により、高速道路の料金所での待ち時間が大幅に短縮され、渋滞解消やドライバーのストレス緩和に貢献しています。
ETCは高い利便性から多くのドライバーから支持されており、国土交通省が公表しているデータによると、2023年7月現在でETC導入率は94.3%となっています。
ETCとETC2.0の違い
ETC2.0とは、ETCの進化版であり2016年から本格的に運用開始されました。
ETC2.0は電子料金徴収システムの機能だけでなく、道路情報と連動したさまざまなサービスを受けられるのが特徴です。
これだけ聞くと「道路情報を受け取るだけなら、カーナビがあるし、いままでのETCと変わらないのでは…」と考える人もいるでしょう。
ここからは、ETCとETC2.0の違いを詳しく見ていきます。
広範囲の交通情報収集
ETC2.0は、全国の高速道路に設置されたITSスポットの情報を活用し、運転支援サービスが受けられます。
2023年10月の現時点で受けられる、運転支援サービスは次の通りです。
- 安全運転支援
- 渋滞回避支援
- 災害時支援
この中でも特に注目されているのが「渋滞回避支援」になります。
ITSスポットから最大1000キロメートルの道路情報がリアルタイムに配信され、その情報を元に、カーナビが最適なルートを提示するのです。
将来、最適なルートを選択したドライバーの料金が割引になるサービスも運用開始予定となっています。
料金体系
ETC2.0を導入している車両を対象に、高速道路の料金が割引されるサービスが実施されています。
まず、東京周辺の中核都市を円周状に結ぶ圏央道では、従来のETCに比べ2割引きの料金で通行可能です。
同じく愛知から岐阜県、三重県の中核都市を円周状に結ぶ東海環状自動車道も従来のETCに比べ1.5割引の料金で通行できます。
ETC2.0の割引サービスは、今後順次増えていく予定とのことです。
一時退出しても追加料金なし
ETC2.0を導入すると、道の駅などの休憩施設に立ち寄るときにICを一時退出しても料金がリセットされなくなります。
このサービスを受けるためには次の条件を満たす必要があるので覚えておきましょう。
ICを一時退出しても料金がリセットされなくなる条件
- ETC2.0を搭載した車両であり、同じETCカードを使用している
- 対象のICやスマートICで一時退出後、同じ方向を再度利用する
- ICを退出後、2時間以内に同じICから再進入する
- 対象の道の駅に立ち寄る
このサービスはまだ試験段階で、現在全国23カ所の道の駅が対象となっています。
詳しくは下記のページをご覧ください。
一時退出・再進入:使える・広がるETC│ETC総合情報ポータルサイト
ETC2.0で今後導入予定のサービス
ETC2.0では、今後以下のサービスが導入予定です。
ETC2.0の割引率がさらにUP
2023年10月時点で、ETC2.0の割引サービスがあるのは、圏央道と東海環状自動車道のみです。
しかし、今後はETC2.0の割引サービスを適用する高速道路も増えていく予定です。
渋滞緩和ルートの選択で料金割引
ETC2.0は、全国各地に設置されたITSスポットから、リアルタイムで自動車の経路情報を受け取っています。
ETC2.0に対応したカーナビを設置すれば、リアルタイムで最適な経路を提示してくれるでしょう。
そして、今後は渋滞緩和ルートを選択したETC2.0搭載車には、料金割引のサービス提供が予定されています。
道路情報・周辺観光情報入手
2023年10月時点で、ETC2.0で受けられるサービスは、渋滞回避や災害時対応など運転支援サービスです。
今後は地域活性化のため、道路情報だけでなく走行中に周辺の観光情報を入手できるサービスが提供される予定となっています。
ICが一時退出できる対象の道の駅も増える予定なので、立ち寄る前に確認すればより観光を楽しめるはずです。
ETCは利用できなくなる?
ETC2.0が普及されるからといって、従来のETCがすぐに使えなくなることはありません。
巷では、「2022年問題」によって従来のETCが使えなくなるのでは…と心配な声も聞かれましたが、実際に使用できなくなる対象ETCはごくわずかでした。
そのため、ETC2.0が普及したからといって、無理して導入する必要はありません。
しかしながら、2030年にはETCシステムのセキュリティ規格が変わるため、従来のETCの多くは使えなくなる可能性があります。
2030年になる前にETC2.0への導入を検討するとよいでしょう。
よくある質問とその回答
自動車の冬支度について、よくある質問とその回答を中間ダイハツ販売整備のスタッフがお答えします。
車のプロの視点から見たETC2.0のおすすめポイントを教えてください
今はまだETC2.0を勧めていません。1.0の倍の金額かかるので。
来年くらいから少し勧めていってみようと思います。
基本的に一度降りて再度のれるくらいしかメリットがないような気がします。
中間ダイハツではETC2.0の取り付けは可能ですか?またETC2.0と連動したカーナビは取り扱っていますか?
取り扱っています。ナビはパナソニックのストラーダを仕入れています。
まとめ
今や車の装備品として欠かせないETCは、2016年にバージョンアップしETC2.0となりました。
ETC2.0は高速道路料金の自動支払いシステムだけではありません。
カーナビと連動して直近の道路情報を伝えたり、渋滞を避けるためのルートを提供したりとドライバーにより快適に運転してもらう機能が付いています。
まとめ
- 2023年7月時点でETC導入率は90%以上
- ETC2.0は広範囲の道路情報を収集し渋滞情報や事故情報をいち早く伝えられる
- ETC2.0を搭載した車を対象にした割引制度がある
- ETC2.0の搭載車は道の駅に立ち寄るためにICを一時退出しても料金がリセットされない
ETC2.0を使ったサービスはまだ始まったばかりなので、これからもっと便利なサービスが提供されることが期待できます。
2030年に従来のETCが使えなくなる可能性もあるので、車の買い替えを検討している方は、ETC2.0を新しい車に搭載してみてはいかがでしょうか。
中間ダイハツではETC2.0の取り付けの他、ETC2.0を搭載したダイハツ車の販売もおこなっております。
ETC2.0の取り付けやETC2.0を搭載したお車のご購入をご検討の方は、ぜひお気軽に中間ダイハツにお問い合わせください。