冬の寒い時期、エンジンがかかりにくくなりそうだからと、数分間暖機をしている方もいるのではないでしょうか。
また車内を暖房で温めるために、アイドリングストップをしている人もいるかもしれません。冬の寒い時期でも毎日運転するのであれば、暖機運転は不要です。
むしろ、不必要な暖機は燃費を悪くします。この記事では冬の暖機運転とはなにか、必要なケースと正しい方法を解説します。
正しい車の暖機運転の方法を理解し、冬も快適なドライブを楽しみましょう。
そもそも暖機運転とは?
暖機運転とは、車のエンジンを始動してから走行を始めるまでの間にエンジンを温める過程のことです。具体的には次のような目的があります。
- エンジンの各部分を適切な温度まで上げる
- エンジンオイルを全体に行き渡らせる
- エンジンの性能を適切な状態にする
これは一昔前のキャブレーター式のクルマでは、必須の操作でした。
しかしながら、現在のクルマはエンジンの制御機能が進歩したので、冬の寒い時期でも暖機運転をせずにすぐに走行可能です。
不要な暖機はかえってエンジンを傷めたりムダな燃費を消費したりする恐れがあります。
冬の車の暖機が必要なケース
「現在の車に暖機は不要なのか?」と言われれば必ずしもそうではありません。
次のケースに当てはまる場合、暖機運転が必要になります。
車を1週間以上運転せずに放置していた
冬に車を1週間以上運転せず放置していたら、暖機運転をしてから走行しましょう。
冬は空気が乾燥しているため、車を1週間以上運転しないと、エンジン内にあるガソリンの油膜は乾いてしまうためです。
エンジンにガソリンの油膜がないまま、アクセルを全開にするとエンジンを傷める原因となり、車の寿命を縮めてしまいます。
一方で、冬でも車を毎日運転すると、エンジン内にガソリンの油膜ができます。
エンジン内の油膜はガソリンをスムーズに流す役割があるので、暖機をしなくてもすぐに運転が可能です。
寒冷地(マイナス10度以下の環境)で運転する
マイナス10℃以下の寒冷地では、短時間の暖機運転が有効です。
気温が低くなると、エンジンオイルの粘度が高くなり、エンジンの内部の摩擦が増加するためエンジンに負荷がかかる可能性があります。
そのままアクセルを全開にすると、エンジン周辺部分の摩擦が大きくなりエンジンに負荷がかかるため注意が必要です。
車の暖機運転の正しい方法
車の暖機運転といえば、一定時間アイドリングすることをイメージするかと思います。しかしながら、それは間違った方法です。
確かに寒冷地ではエンジンや周辺機器が冷え切っているので一定時間のアイドリングが必要です。
それでも、アイドリングに必要な時間はわずか30秒~1分で事足ります。
冬の暖機運転の正しい方法は、始動後ゆっくりアクセルを踏み走行することです。
車のエンジンや周辺機器はアイドリング状態ではなかなか温まりません。
ゆっくりと始動することで、ガソリンが気化しエンジンや周辺機器を温め、スムーズな運転ができます。
間違った冬の車の暖機や運転をし続けるリスク
冬は車内がなかなか温まらないことから、暖機のためついアイドリングを長めにしがちです。
一方で、冬も夏と変わらず始動からアクセル全開で、車を走行するようなことをしていませんか?
このような間違った暖機や運転は、車の寿命を縮めたり故障の原因となったりするのでやめましょう。
回転系パーツが磨耗を起こしやすくなる
今の車は、昔の車よりもオイルの性質やエンジンや周辺機器の性能がよくなったので、一定時間のアイドリングは不要です。
しかしながら、始動からすぐにアクセルを全開にするのは止めましょう。
エンジンが温まっていないうちにアクセルを全開にすると、回転系パーツが摩耗を起こし、車の寿命を縮めてしまう恐れがあります。
アイドリング音や排ガスの匂いで回りに迷惑をかける
冬にフロントガラスが凍ってしまった時、アイドリング状態にして暖房全開でフロントガラスの氷を溶かした経験はないですか?
冬の運転前にしていた、その行為はじつは周りに多大な迷惑をかけている可能性があります。
長時間の暖機運転は、エンジン音による騒音や排気ガスによる悪臭や大気汚染により近隣住民が迷惑を被ることがあるためです。
その証拠にコンビニの駐車場ではアイドリングを禁止しているところも多く、市町村の中には「アイドリング禁止条例」を施行しているところもあるほどです。
またフロントガラスの氷は暖機だけでは溶けにくいので、以下の記事を参考に冬グッズの購入を検討しましょう。
燃費が悪くなる
冬は走行中であっても、エアコンの使用やエンジンの冷えにより燃費が悪くなりがちです。
車内が寒いからと、始動前にアイドリング状態でエアコンを入れると燃費はさらに大きくなり、ガソリンを消費します。
残念ながら、アイドリング状態でエアコンを入れても車内はなかなか温まらず、燃費だけムダに消費されます。
効率よく車内とエンジンを温めるためには、ゆっくり始動の正しい暖機運転が効果的です。
まとめ:過度な暖機は不要
冬の車を走行する前には、エンジンを傷めないよう暖機をする必要があります。
でも実は、冬の暖機運転は必ずしも必要ではありません。
毎日運転していたり寒冷地を運転していたりしていない限り、すぐに走行しても問題ないためです。
また暖機といえば長時間のアイドリング状態での待機をイメージする人が多いと思いますがこれも間違いです。
まとめ
- 車の暖機に長時間のアイドリングは不要
- アクセルをゆっくり踏む暖機運転が冬の車の運転に最も効果的
- 間違った暖機はムダな燃費消費や車の故障を招く
冬は車内温度が低いので、車内を温めるためにアイドリングをする方もいますが、停止状態を続けるよりもゆっくりと走行した方が早く車内が温まります。
また、誤った暖機運転はエンジンの劣化を早める可能性もあるため、暖機運転をするときは短時間にとどめましょう。
福岡県中間市にお住まいで、次のお悩みをお持ちの方は、中間ダイハツにご相談ください。
- 冬にエアコンが効かずに暖機運転をつい長くしてしまう
- フロントガラスの氷が溶けずつい暖機運転が長引いてしまう
中間ダイハツでは、随時車の定期点検を実施したり、冬のお役立ちグッズをおすすめしたりしております。
暖機運転の正しい方法についてもアドバイスいたしますので、お気軽に中間ダイハツにご相談ください。