夏休みやお盆の帰省など夏の長期休暇は、長距離運転する機会が増えます。
そのため、夏は交通事故や車のトラブルの件数が増加しがちです。
夏に多い車のトラブルの1つにタイヤのパンクやバーストがあります。
JAFが公開した2024年度シーズン別の出動件数・出動理由のデータによると、お盆の高速道路での出動件数が2,893件。
そのうちタイヤのパンク、バーストによる出動件数は1,142件。全体の39%を占め、断然トップの件数でした。
一般道路での出動件数も第2位となっています。
なぜ夏はタイヤトラブルが多くなるのでしょうか。その理由と対策をわかりやすく解説します。
夏はタイヤトラブルが起こりやすい!その理由は?
夏は他の季節に比べて、タイヤのパンクやバーストなどのトラブルに見舞われやすくなっています。
その理由は次の通りです。
路面の高温化や紫外線によるゴムの劣化
夏のアスファルト路面は、太陽の熱を吸収しやすく、表面温度が60℃を超えることも。
さらに、走行中のタイヤは道路との摩擦によって温度が上昇し、高速道路などではタイヤ表面温度が80℃前後に達することも珍しくありません。
条件によっては、これ以上の高温になる場合もあります。
このような高温環境下では、タイヤのゴムが柔らかくなり、ひび割れやキズが発生しやすくなります。
また、劣化したタイヤで走行を続けると、パンクやバーストといった重大なトラブルのリスクが高まるため注意が必要です。
加えて、夏の強い紫外線もタイヤのゴムに悪影響を及ぼします。
紫外線による化学反応でゴムが劣化し、ひび割れや硬化の原因となるためです。
こうしたダメージの蓄積が、タイヤトラブルを引き起こしやすくします。
高温によるタイヤの内部空気圧上昇
タイヤの空気圧を高くすると、道路との摩擦抵抗が少なくなり、車の燃費が向上します。
しかしながら、夏にタイヤの空気圧を適正以上に入れるのは避けた方が良いかもしれません。
夏はタイヤの表面温度が高くなりタイヤ内部の空気が膨張し、空気圧が高くなりがちだからです。
そのため、適正以上に空気圧を入れてしまうと、走行中にタイヤがバーストしてしまう恐れがあります。
車のタイヤの点検回数が減る
お盆の帰省や夏休みのレジャーなど、夏は何かと車を使う機会が増えます。
そのため、車やタイヤの点検をつい怠りがちです。
その結果、いつの間にか空気圧が減っていたり、タイヤの交換時期が過ぎていたりしてしまうこともあるかもしれません。
タイヤの空気圧が低すぎると、走行時にタイヤの表面が波上に変形する【スタンディングウェーブ現象】と呼ばれる現象が発生します。
この現象が起こると、走行時にタイヤの温度が高温化し、タイヤ表面の補強剤を痛めてバーストのリスクが高まります。
タイヤのパンクより危険なバーストとは?
タイヤのパンクとバーストの違いは次の通りです。
パンク | 走行中に釘や金属片がささるなどさまざまな原因でタイヤに穴が空き、徐々に空気が抜けていく |
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バースト | 走行中の激しい摩擦熱やタイヤへの強い刺激などでタイヤが内部から破裂する |
パンクの場合、タイヤに穴が空いても少しずつ空気が抜けていくため、気づかずに走行してしまうことも珍しくありません。
一方、バーストは走行中に突然タイヤが破裂し、コントロールが効かなくなるため大変危険です。
また、タイヤが破裂しているためパンクのように走行を継続することもできません。
交通事故につながるタイヤトラブルなので、注意が必要です。
夏のタイヤトラブルを防ぐ方法
夏のドライブで、パンクやバーストなどのタイヤトラブルを防ぐには、何をすればよいのでしょうか。
空気圧点検を1ヵ月に1回の頻度でおこなう
夏のタイヤトラブルを防ぐためにも、空気圧点検を最低でも1ヵ月に1回はおこないましょう。
夏やお盆の帰省やレジャーなどで、いつもよりも長距離のドライブをしがちです。
また仕事だけでなくプライベートも予定が増えるため、タイヤの空気圧点検をつい忘れてしまうことも少なくないでしょう。
タイヤの空気圧点検は、ディーラーや整備工場だけでなく、ガソリンスタンドでもおこなってくれます。
給油するついでに空気圧点検を依頼してみましょう。
また時間に余裕のあるときは、タイヤのキズや溝もチェックしてもらうとタイヤの劣化具合も確認できます。
定期的なタイヤローテーション
タイヤローテーションとは、タイヤの装着位置を定期的に入れ替える作業のことです。
車の駆動方式(前輪駆動・後輪駆動・四輪駆動)や、タイヤの取り付け位置・角度によって、タイヤの摩耗の進み方には違いが生じます。
同じ位置で使い続けると、特定のタイヤだけが早く摩耗しやすく、摩耗の偏りが運転時の騒音や振動、さらには走行性能の低下につながることもあります。
また、偏摩耗が進むことでタイヤ全体の寿命が短くなるデメリットもあります。
こうした偏りを防ぎ、タイヤを長持ちさせるためにも、5,000~10,000kmごとを目安にタイヤローテーションを行うことが推奨されています。
普段、車を使用しない方は、夏になる前または長距離運転の前にタイヤの点検とタイヤローテーションをするのがおすすめです。
タイヤのパンクやバーストがおこったときの対処法
運転に気を付けていても、タイヤのパンクやバーストが起こってしまうこともあります。
ここからは、万が一のタイヤトラブルで交通事故リスクを最小限に抑える対処法をご紹介します。
路肩に車を停止
タイヤのパンクやバーストが起こったら、速やかに路肩に車を停止しましょう。
タイヤがバーストすると、タイヤが破裂して急激に空気が抜けるため、ハンドル操作が非常に困難になり、走行不能になるためです。
一方、パンクは徐々に空気が抜ける現象で、空気圧が低下するため運転が不安定になり、走行しづらくなります。
JAFやディーラーに連絡
一般道でトラブルに見舞われて、路肩に車を停止したらパンクやバーストの状況を確認しましょう。
軽微なパンクの場合、応急処置で走行可能になることもありますが、慣れていないと時間や手間がかかります。
夏の炎天下の中での作業は大変なので、無理せずJAFやディーラーに連絡しましょう。
高速道路の場合、路肩での状況確認や作業は大変危険です。
まず停止表示板と発煙筒を使い、後続車に停止車の存在を知らせましょう。
その後、安全確認をしながら速やかにガードレール外へ避難し、すぐにJAFやロードサービスに連絡します。
まとめ
夏は車のタイヤが劣化しやすい環境下で、さらに点検の機会も減るためタイヤトラブルが発生しやすくなります。
長距離運転を予定しているならば、空気圧の点検やタイヤの溝やキズの確認などを予定日前までに済ませておきましょう。
まとめ
- 夏は路面の高温化や紫外線によりタイヤが劣化しやすい
- 夏はタイヤの空気圧の点検を怠りがち
- 長距離運転前にタイヤのキズや溝の点検を忘れない
レジャーの道中にタイヤトラブルが起きた場合、予想外の出費に見舞われる可能性があります。
万が一のタイヤトラブルに備えて、任意保険のロードサービスだけでなくJAFの入会を検討してみてはいかがでしょうか。
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中間ダイハツでは、タイヤ点検や交換はもちろんのこと、JAFの代理店でもあるので入会手続きも可能です。
中間市にお住いの方は、夏のレジャー前にぜひ中間ダイハツでタイヤ点検をご検討ください。