冬のバッテリー対策は大丈夫?プロが教える予防策と応急処置

「車に乗り込みエンジンをかけても作動しない」

忙しい朝や急ぎ目的地に行かなければならないときに、このような状況に陥ると途方に暮れてしまいますよね。

冬はバッテリー上がりが多く発生する時期。全国至るところで、バッテリー上がりが発生しています。

なぜ冬になるとバッテリーが上がりやすくなるのか。この記事では、その理由とプロが教える予防策についてご紹介します。

万が一、バッテリー上がりが発生してしまったときの対処法もまとめましたので、ぜひご覧ください。

冬の車のバッテリーが上がりやすい理由

日本自動車連盟(JAF)がまとめた2023年度ロードサービス出動件数のデータを見てみるとバッテリー上がり(過放電バッテリー)による出動件数は冬にかけて増加する傾向があります。

2023年度JAFロードサービス過放電バッテリー出動件数
出典:ロードサービス救援データ(2023年度:月別) | JAF

なぜ、冬になると自動車のバッテリーが上がりやすくなるのでしょうか。

理由を詳しく見ていきましょう。

低温でバッテリー性能が低下する

冬になり低温になると、バッテリー内の電解水の粘度が増加するため、電気を作り出すためのイオンの移動が鈍くなります。

そのため冬は同じ充電時間でも、充電される量が減少してしまうのです。

その結果、バッテリー性能が一時的に低下し通常の温度では使用可能な充電状態でも、低温では充電が足りずに使用できないことがあります。

暖房などの電装品使用増加

冬になるとエアコンやデフロスター、ヒートシーターなど暖房機器の使用時間が増加するため、バッテリーが上がりやすくなります。

暖房機器を使用すると電力消費が増加しバッテリーの充電の減りが早くなるためです。

また低温になるとバッテリー性能が下がり、充電量も少なくなります。

その結果、バッテリーの充電量が枯渇し、バッテリーが上がりやすくなります。

短距離走行によるバッテリーの充電不足

冬になると、低温によってエンジン始動時に大きな電力を消費してしまいます。

また、暖房機器の使用により他の季節よりも電力を消費しがちです。

さらに低温によるバッテリー性能の低下で、充電量も減少します。

その結果、通勤・通学の短距離走行では、消費電力に対してバッテリーの充電が足りずに、バッテリー上りが生じやすくなります。

バッテリートラブルを防ぐ5つの対策

車のバッテリーが上がるとエンジンがかからなくなり、車を走行できなくなります。

冬にエンジンがかからなくなると、寒空の中、救援を待たなければなりません。

この時、小さいお子さんを車に乗せていたら、身体が冷えて体調不良に陥ってしまう可能性もあります。

このようなトラブルに見舞われないためにも、日頃からバッテリートラブルを防ぐ対策をしておきましょう。

定期的なバッテリー点検

冬のバッテリー上がりを防ぐため、月に1回の定期点検をしましょう。主な点検箇所は次の通りです。

液量点検 バッテリー側面の液面線を確認し、UPPERとLOWERの間にあることを確認します。
外観点検 ヒビや液漏れがないか目視で確認します
取付け金具とターミナル部の緩み点検 しっかり固定されているか確認します
電圧測定 電圧計で10V以上あることを確認します(エンジン停止時)

また車に次のような症状があらわれたら、バッテリー上がりの前兆の可能性があるため、注意が必要です。

  • エンジンがかかりにくい
  • ヘッドライトが暗く感じる
  • パワーウィンドウの動きが遅く感じる

これらの症状は、バッテリーの電圧低下や充電不足のサインになります。症状に気づいたらバッテリーの状態を点検したり、必要に応じて充電や交換をしましょう。

バッテリーの充電管理

冬のバッテリー上がりを防ぐため、定期的にバッテリーの充電を実施しましょう。

車のバッテリーを適切に充電する方法は次の通りです。

定期的な走行 週に1回、30分以上の走行をする。市街地や渋滞を避け、高速道路など一定速度で走行できる道路でおこなう。
エンジンの回転数 充電効率を上げるためエンジン回転数2,000~3,000程度で走行しましょう。回転数はタコメーターの目盛りで確認できる
電装品(暖房など)の使用を控える 充電中は消費電力を抑えるため暖房やカーナビなどの電装品の使用を最小限に抑える
家庭用充電器の利用 車を長期間利用しない場合は、定期的に家庭用充電器を用いて充電。

定期的に充電することで、バッテリートラブルを予防するだけでなく、バッテリーの寿命を伸ばすこともできます。

バッテリーの交換時期を把握する

冬のバッテリー上がりを防ぐため、バッテリーの交換時期を確認しましょう。

車のバッテリーの交換目安は、車種や使用状況によって異なりますが、ガソリン車だと一般的に3~5年程度だと言われています。

バッテリーが劣化すると、バッテリー上がりの前兆と同じ症状があらわれます。

また、突然寿命がくることもあるため、交換後2~3年経ったら専門店での点検がおすすめです。

暖房などの電装品使用を控える

冬のバッテリー上がりを防ぐため、走行中は暖房などの電装品使用を控えましょう。

暖房やヒーター、室内灯などの電装品の使用は、大量の電力を消費するためです。

冬は充電容量も少なくなり、エンジンをかけるときの消費電力も大きくなるため充電が枯渇しやすくなります。

電装品の使用は最小限にとどめて、バッテリーの負荷を軽減しトラブルを未然に予防しましょう。

バッテリー上がりが発生した場合の対処法

バッテリーが上がるとスターターモーターを動かすための電力が足りなくなるため、エンジン始動ができなくなります。

エンジンが始動してもバッテリーが上がると、ドアロックの施錠や解除ができなくなったり、メーター類が点灯しなくなったりするなど走行にも支障がでる可能性があるため、運転を継続するのは大変危険です。

ここからは、バッテリ―上がりが発生したときの対処法をご紹介します。

【自力で対処】ジャンプスタートで応急処置

車のバッテリー上がりが発生したら、ジャンプスタートで応急処置をしましょう。

ジャンプスタートとは、バッテリーが上がった車を別の車から電気をもらって動かす方法です。

ジャンプスタートの方法

  1. 動く車(救援車)を近づけます
  2. 両方の車のエンジンを切ります
  3. 専用のケーブル(ブースターケーブル)を使って、両方の車のバッテリーをつなぎます
  4. 赤いケーブルを両方の車の「+」につなぎます
  5. 黒いケーブルを救援車の「-」と、バッテリーが上がった車の金属部分につなぎます
  6. 救援車のエンジンをかけ、5分ほど待ちます
  7. バッテリーが上がった車のエンジンをかけます
  8. エンジンがかかったら、つないだ逆の順番でケーブルを外します

このとき、濡れた手で作業を行うと感電してしまい大変危険です。

また、安全のため作業に自信のないドライバーは、専門家に依頼するのがよいでしょう。

【プロに任せる】ロードサービスへの連絡

救援車が見つからない、ジャンプスタートの作業に自信がないのであれば、JAFや加入している自動車保険に付帯しているロードサービスへ連絡しましょう。

バッテリー上がりのトラブルに対するサービス内容は、加入している自動車保険によって異なります。

万が一のトラブルに備え、ロードサービスの内容を確認しておくと安心です。

なおJAFに依頼する場合、会員ならば無料で対応してくれます。(非会員の場合は21,700円)

まとめ

冬は寒さによりバッテリーの性能が低下することから、他の季節よりもバッテリーの充電時間が長くなりがちです。

また冬は、早い時間でも暗くなり勝がちなので、暖房器具やライトなど電装品の消費も大きくなります。

そのため、冬は十分なバッテリー容量を維持できず、バッテリーが上がりやすくなります。

バッテリー上がりで、エンジンが始動できなくなるトラブルを避けるためにも、冬は他の季節よりもバッテリー上がりを意識した運転を心がけましょう。

また、万が一バッテリー上がりになったときのため、自動車保険のロードサービスの連絡先を控えておきましょう。

万が一のトラブルのため、JAFに入会するとレッカー台やバッテリー上がり対応などの費用が無料になるため、おすすめです。

JAFに入会するメリット・デメリットとは?任意保険との違いも確認

福岡県中間市で、バッテリーの交換目安が知りたい方は中間ダイハツにご相談ください。

バッテリー交換の目安をプロの整備士が確認し、交換時期がきたものについては、交換にも対応します。

JAFの入会受付にも対応していますので、お気軽にご相談ください。